「はああ。あたし達も今日から2年生だね~。早くない?今年も美桜と同じクラスならいいなーそしたら来年も自動的に同じクラスになるじゃん?」

「うん。同じクラスだと良いなー。沙彩と同じじゃないと多分美桜テンション下がる」




そう。あたし達の学校は
2年生になったらクラス替えがある
2年の時に決まったクラスは3年になってもそのままで2年間同じメンバーと学校生活を過ごす事になるのだ。

去年も沙彩と一緒のクラスだったので今年も沙彩と一緒なら3年間同じクラスで高校生活を過ごす事になる。




「ねえ、美桜。あたしさ…」

突然モゾモゾしながら話始める沙彩。



どうしたんだろう…。

「…ん?」



「あたし、さ」

なかなか話題を出さない沙彩。



なんだろ、言いづらい事なのかな?




「沙彩…?」

あたしが尋ねると"よしっ"と言い話し始めた



「あたしね、好きな人出来たの!」



顔を赤らめながら嬉しそうに話す沙彩は何だか可愛かった。




「えええええ!!誰に恋しちゃったのー!!」




沙彩はなかなか人を好きにならない為
好きな人が出来た報告もいつぶりに聞いたのだろう。と言うくらい久々である。



「神上高校のね、1つ上の人!」

「かみ、じょう…?」



──『俺神上高校受かった!!』

嬉しそうにあたしに報告してきた彼。
あの時の笑顔は本当に嬉しそうだったな



ふと過去の思い出が蘇る。

久々に聞いた神上と言う名の高校。

神上ってアイツがいる高校だ。
やだ…急に出て来ないで…。



「あ…。ごめん」

突然シュンとしながら謝る沙彩。


違うよ…謝らないで沙彩


沙彩は悪くないんだよ。

アイツを忘れれないあたしが悪いんだよ…。




そう言いたいのに声を出せない。



「み、お…?」


ダメだ。
アイツの事考えるの辞めよ。



「ん?あ、ごめん!良かったじゃん、沙彩!どんな人なのー?」

「…え?あ、んっとね」


結構今頑張って笑えた筈。

きっと沙彩は今のあたしの反応にビックリしたのだろう。
少しビックリした表情だったもん




「サッカーやっててね、すっごく爽やかなの。去年の冬休みに知り合って毎日メールする様になって週1回は電話もする様になってて気付いたら好きになっちゃってた。春休みも2回くらい会ってご飯とか行ったりしたんだけど本当に優しくってさ!リードしてくれたり!他にもね…」


幸せそうに話す沙彩。
なんだ…もう付き合っちゃえば良いのに。
って言いたいくらい仲良しそうじゃん。



空を舞う桜があたし達の傍をヒラヒラ舞って落ちていく。



一面ピンク。

今の沙彩とシンクロしてるように思えた。