"あんちゃんが就職したら
お嫁さんにしてあげる"
いつしか桔平が送ってくれた
メッセージを読み返して
私の曇り空を無理やり払うけど。
「会いたいよー・・」
それでもSNSに写る桔平を見ると
心は痛くて。
ねぇ、桔平。
会いたいって思ってるのは私だけ?って。
「杏奈(あんな)、何泣いてるん(笑)」
ふはっと笑って
机に突っ伏する私を見下げるのは
専門学校で同じクラスの大悟(だいご)。
「・・・笑わないでよ。」
こっちが悲しみに暮れているというのに。
「あー、あれちゃうん、
色気がないからな~杏奈さんは。」
独特の関西弁で大悟は
茶化すように私を見下ろす
というか、いつもコイツは
私のことを茶化していた。
「うるさいうるさいうるさい~」
「今日の放課後、みんなで飯食って
俺んちでテスト勉強しよ言うてんねんけど
杏奈も来るやんな?」
なっ?って太陽みたいに笑う大悟は
本当に太陽みたいな人で。
大悟の周りにはいつもたくさんの人が集まる。
こんな曇り空の私にもこうやって、
陽だまりを分け与えてくれた。
「・・・・うん。」
テスト勉強だし。
みんないるし、
浮気じゃないから・・いいよね?
そんな、軽い気持ちだった。
