桜が咲くのなんて、
あっという間だった。
海の見える街を離れて、
少し都会にやって来て。
新しい友達との付き合いだったり
学校の授業と飲食店のバイトで
私の毎日はバタバタしていて
それは桔平も同じで、
慣れない仕事に追われているのか
今まで毎晩していたメッセージや電話も
少しずつ減っていった。
「桔平くん、すっごいモテてるよ。」
なんて
桔平と同じ会社に就職した高校の同級生に
聞いた日なんかは、
テンションがた落ちで。
" はやく桔平に会いたいっ
クラスにあんまり女の子いなくて、
寂しいよー(T_T)"
「・・・は?
・・野郎バッカとか危ねーじゃん。」
"浮気禁止だから"
「・・・浮気なんかしてないもん。」
いつも隣にいてくれた桔平が、
いつしか遠くなっていた。
