「え、転校…?」

それは、あの日の事から1ヶ月経った頃の事だった。

あたしは持っていた箸を机に置いた。

「あぁ…、2人には本当に苦労をかけてすまない。でも、この仕事が上手くいけば少しは私たちの生活も楽になる。」

そう言ってお父さんは私と妹を交互に見つめた。

妹は少し俯きながら肩を震わせていた。

あたしは隣に座る妹の、鈴(すず)の肩をそっと抱き寄せた。

「その仕事、本当に上手くいくの?」

あたしは不安な気持ちでお父さんを見つめた。