でも、よく見れば微かに動いているような気がした。

あたしは一旦、自分を落ち着けようと深呼吸をした。

大丈夫。

微かに動いた。

多分まだ息はある。

あたしはそう自分に言い聞かせた。

「…ぁ、あのっ」

あたしは震える声で声をかけた。

そして、震える手でそっと男の人の肩に触れた。

「…だ、だい、じょうぶ…ですか…?」

あたしが声をかけながら揺すっても反応が無い。

でも、まだ暖かいし息はある。