あああ、ごめんなさいごめんなさい。
こんな私でごめんなさい。
あなたみたいに素敵な人に話しかけられてしまってごめんなさい。
かわいらしい瞳に私なんかを写させてしまってごめんなさい。
「い、い……」
「『い』??」
「今すぐ消えます…」
「ええ!?」
回れ右をして、一刻も早く須田さんから離れようとしたとき。
「待って絆奈ちゃん!! 私、ずっと絆奈ちゃんと話したいなって思ってたの…!!」
「………え???」
思いもしない言葉に、思わず足を止めてしまった私。
そして、油気を失った機械のようにギシギシと音を立てて振り返った。
話したいと、
思っていたですと…!?
「私の前の席の鈴木なつみちゃんとか、海音君とか……周りの人たちに囲まれてすごく楽しそうで…いいなあって思ってたの…」
「……!?」
な……ぬ……!?
きっと今の私の顔はモアイ像のそれだ。



