「よっ!! 同じ白組だね!! よろしく~!!」

「毎日毎日…君も大変だな」


「あ、あ、あぅ……」


白いはちまきをしている二人組。

橘君と一条くんだった。

どうしよう…。
せっかく私なんかに話しかけてくれたのに、どうしても緊張して何も言葉が浮かんでこないよ…!!


「あれ? なつみちゃんは一緒じゃないんだ?」

「あ、なっちゃんは…黄組で……私とは、その……」


少し大きい体育着の袖で、口元を隠しながらなんとか会話を続ける。

せっかく、話しかけてくれたんだから……
が、が、がんばって、会話を続けなきゃ…!!

そうよ絆奈、いつまでもなっちゃんばっかりにくっついている訳にはいかないのよ!!

私だってもう高校2年生…!!
そろそろなっちゃん離れをしなくちゃいけない時期にさしかかってるの…!!


小さな引き出しから数少ない言葉たちを絞り出す。


何か、何か会話を……!!


「じゃ、俺たちも次の種目あるから」

「絆奈ちゃん、バカイトのこと応援してあげてくれよなー!!」


「あ……」