みなさんこんにちは、高橋絆奈です。

今日は白南風高校の体育祭です。


学年を超えた色分けチーム戦となっております。
私は白組です。
周りのみんなは自分のチームの色に合わせたコスプレをしてて、見てるだけで十分楽しいけれど。

私は本当にただ見てるだけ。
コスプレなんて恐れ多くてできません…。

「ううう…」

なっちゃんは、黄組です。
つまり、私とは違う組です。
結論、私は正真正銘のひとりぼっち……。


「………あああ」

運動音痴で友達がいなくて白組に貢献できない私なんて今すぐ消滅してしまえばいいのに…!!

かいとくんはというと……赤いはちまきをしている。

赤組のようだ。

彼も、特にコレと言ったコスプレをしてはいない。
ただ、自分のチームにいればいいのに、なぜかさっきからずっと、こうして私の周りにいる…。


「うう……」


そして、人気者のかいとくんだから、さっきから周りの女子からの視線が痛いです…。

目立たないようにコスプレも避けて、目立たないように大きな声を出した応援もしないし、目立たないように、目立たないように…。

なんなら、目立たないようにすることだけに全力を注いでいるのに。

私の近くにかいとくんがいるだけで、こんなにも目立ってしまう。


やだ、やだ。
恥ずかしい…。