「え?こっちがいい?」

「へ?」


かいとくんは、自分の人差し指を自分の唇に軽く当てて、『こっち』と言った。

すなわち、彼の言う『こっち』とは。


「キ ス ♪」

「しません!!!」


もう!!

本当に子供みたいなんだから…!!

か、かいとくんとキスなんて……

不意に、かいとくんの唇に目がいく。


「………っ!!」


って、何見てるのよバカ私……!!


「あ、絆奈ちゃんも真っ赤だね」

「ちが……」

「鎖骨、噛んでもいい?」

「ほええ!?」

「その顔、かわいい」

かいとくんの流れるように襲ってくる言葉たちに次々と攻撃され、みるみるうちに真っ赤になる私の顔。

…もう、どうしたらいいかわからない…。