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結局、あのメイド服もかいとくんが購入しようとしていたけれど。

私が泣きながら拒否したらしぶしぶ諦めてくれました。


「絆奈を泣かせた僕は切腹するべきなのに…それを許してくれるなんてさすが僕の天使……」


さっきから何度目ですか、その台詞は……。

苦笑いをこぼして、私はふうと息を吐いた。


「買い物、一通り終わったね」

「ん、そうだね」


なんだろ、なんか、さみしいなんて思っちゃってる。

手は変わらず繋がれたままなのに。


もう少ししたらこの手、離さなきゃいけないんだな、なんて。


私、かいとくんの彼女でもなんでもないのに。


ふと、かいとくんを見る。

かいとくんは、まっすぐ前を見ていた。

その横顔は、こうして改めて見ると、ちょっとかっこいいな~なんて。


「どしたの? やっと僕に惚れた?」

「ちがっ…!!」


ふとかいとくんと目が合って。
私は、慌てて目をそらした。