いつもの場所に着くと、私に気が付いた先輩が優しく微笑んでくれた。





「お前の、真っ直ぐな気持ち嬉しかった。
今までありがとう。………ごめん。」



何か言葉を発したら、
涙が零れちゃいそうで何も言えずに、
ただ首を左右に振った。

『先輩、謝らないで。』

そう、伝えたかった。



ギュッて抱きしめられて、
一瞬だけ先輩の温もりを感じた。


…最後までずるい。

先輩はずるい。

だけど、私もずるいから。


「ちゃんと好きだった…。ごめん。」


先輩が私から離れて、背を向けた。




「……先輩っ。
…卒業おめでとうございます。」