「見て。今日の為に用意したんだよ。」


そう言って彼女は、沢山の花火が入った袋を掲げた。

オレはそれを受け取る。


「今年最後の花火は、一緒にやりたくて。」


彼女が笑顔で言う。


「そうだな。じゃあ、やろうか。」


オレも笑顔で答えた。




_____


近くにある公園に移動すると、まだ少し明るかった空も完全に暗くなっていた。


2人並んで、次々に花火に火をつけ楽しむ。

気が付くと、もう残りは線香花火だけだった。


「…最後だね。」


彼女がポツリと呟いた。