数日前、わたしと闘馬は一度会っていた。それはわたしが空手の試合帰りに道端で不良青年に絡まれている弱気な男性を助けたところから始まる。二人組みの少年に通りすがりに肩がぶつかったことで因縁をつけられ、男性が暴行されていたのだ。
「おいこら、てめえ生意気なんだよ」
「そ、そっちがぶつかってきたのに。それにすみませんと謝っているじゃないですか」
「痛い目見ないと分からないようだな。」
そういって、不良の一人は男性を足で蹴った。
「うっ、痛い」
「調子こいてんじゃねえぞ。なめんなおら」
と言って、男性を殴る。
「う、ごふっ。誰か助けて」
「許して欲しけりゃ、金よこせおら」
と言って再び足けりをしようとしたその時、私はちょうどそこを通りかかって思わず叫んでいた。
「待ちなさい!」
私の声に一同が驚いて振り向いた。
「何だこのくそアマ、こんなところで女がしゃしゃり出てくんなよ」
「男2人で、弱い者いじめなんかして最低ね」
「はぁ?」
と長身の不良がわたしを睨みつけてきたが、わたしの顔を一瞬見つめて
「お前なかなか可愛いな、代わりに遊んでくれよ」
と言って私の肩をつかもうとしてきた。私は一瞬の隙をついて、不良の手をつかんでひねりあげた。
「いででで、いってぇ」
長身の体が大きく傾きよろけたので、私はそいつの顔面に足蹴りをくらわせてやった。私は3歳のころからおじいちゃんの空手の指導を受けているため、そこらへんの女子高生に比べれば強いと思う。
その様子をみたもう一人の小太りの不良が、
「て、てめえ。この~」
と言って、わたしに向かって突撃してくる。いつも稽古しているおじいちゃんや道場の弟子に比べたら、そのスピードは遅すぎる。わたしは小太りの不良のパンチをひらりとかわし、代わりに渾身のボディブローを腹に食らわした。
「ごふっ」
小太りの不良が痛みで倒れこんだので、わたしは脅されていた男性に駆け込み声をかけた。
「大丈夫」
「あ、ありがとうございます」
「早く、今のうちに逃げるわよ」
「は、はい」
急いでその場から逃げようとしたが、男性は殴られた痛みですばやく動けない。そうこうしているうちに長身の不良が起き上がり、逃げるわたしたち二人を追ってきた。
「待てごらぁ」
うまく歩けない男性を担ぐことはできず、逃げ切れないのを悟ったわたしは男性を先へと押しやった。
「先に逃げて!」
「えっ、わあ!」
そしてわたしは長身の不良に腕をつかまれてしまった。そうしている間に小太りの不良も追いつき、さすがに二人の男性を同時に相手にするのは無理かと思われた。でもあきらめずに不良に反撃を試みたが、不良に両方の腕をがっしりと掴まれていたため何もできない。抵抗できないやわらに、小太りの不良が顔面に向かってパンチをしてきた。
もうだめだ…
わたしがあきらめかけたその時、
「やめろ」
と男性の声が聞こえて、小太りの不良が目の前で謎の男性に足蹴りを食らって勢いよく吹っ飛んでいった。
「な、何!」
長身の不良が驚きの声をあげた。いきなりの出来事にわたしも呆気にとられていると、いつの間にか掴まれていた腕が緩んでいることに気づいた。
ドサリという音がした。
足元を見ると、わたしの腕を掴んでいた長身の不良も謎の少年に殴られて地面に寝転んでいた。
一瞬にして二人の不良を倒し、自分と同年代くらいの少年が何も言わずにその場から立ち去ろうとしたため、
「あの、助けてくれてありがとう!」
とお礼を述べた。すると謎の少年は一瞬わたしの方を振り返ったが、ぷいっとそっぽを向いて立ち去ろうとした。
「ちょっとあなた、待ちなさいよ」
わたしはその少年を追いかけようとしたその時、小太りの不良が起き上がって立ち去る少年に向かって突撃した。わたしは少年が小太りの不良にやられてしまうと思い後ろから追いかけて
「やめなさ~い」
といって足蹴りを食らわした。謎の少年は小太りの不良が自分に向かっているのに気づいたため、反撃をしようと振り向いたが目の前でやわらの足蹴りによって倒された。
バシッ
「うぐっ」
ついに、不良は気を失った。
わたしはスカートをはいているにも関わらず夢中だった為、少年の前でスカートの中身が丸見えとなってしまっていた。
「水色か、もっと可愛いのはけよ」
とだけ言って、また立ち去ろうとした。わたしは恥ずかしいのと、少年のデリカシーのない言葉にムカついたので
「な、あなた。どさくさにまぎれて見たわね」
と叫んでいた。
「別に見たかったわけじゃない。それにこっちは見せられて迷惑だ。」
「な、何ですって!むかつく~、待ちなさいよ」
と叫ぶが、少年はおかまいなしにすたすたと歩いていった。わたしは男の人にパンツが見られて恥ずかしいやら、悔しいやらでその場に立ち尽くしていると少年がぱっと振り向き、
「男の喧嘩に、女がしゃしゃり出るんじゃねぇよ」
と暴言を吐いて、立ち去った。
その言葉にさらにわたしは怒りがこみ上げてきたが、視界に絡まれた男性が身体を痛そうにしている姿が目に入ったため我に返った。今はあんな奴と喧嘩してる場合ではない、不良たちがまた意識を取り戻す前に、男性を連れて今すぐこの場から逃げなければならない。
全くあいつ、何が女はしゃしゃり出るなよ。弱いものいじめしてたら助けるに決まってるじゃない。ほんとムカつく。今度会ったら絶対に文句言ってやるんだから。
男性を病院へ運びながら、わたしは少年に対して苛立ちを感じていた。
「おいこら、てめえ生意気なんだよ」
「そ、そっちがぶつかってきたのに。それにすみませんと謝っているじゃないですか」
「痛い目見ないと分からないようだな。」
そういって、不良の一人は男性を足で蹴った。
「うっ、痛い」
「調子こいてんじゃねえぞ。なめんなおら」
と言って、男性を殴る。
「う、ごふっ。誰か助けて」
「許して欲しけりゃ、金よこせおら」
と言って再び足けりをしようとしたその時、私はちょうどそこを通りかかって思わず叫んでいた。
「待ちなさい!」
私の声に一同が驚いて振り向いた。
「何だこのくそアマ、こんなところで女がしゃしゃり出てくんなよ」
「男2人で、弱い者いじめなんかして最低ね」
「はぁ?」
と長身の不良がわたしを睨みつけてきたが、わたしの顔を一瞬見つめて
「お前なかなか可愛いな、代わりに遊んでくれよ」
と言って私の肩をつかもうとしてきた。私は一瞬の隙をついて、不良の手をつかんでひねりあげた。
「いででで、いってぇ」
長身の体が大きく傾きよろけたので、私はそいつの顔面に足蹴りをくらわせてやった。私は3歳のころからおじいちゃんの空手の指導を受けているため、そこらへんの女子高生に比べれば強いと思う。
その様子をみたもう一人の小太りの不良が、
「て、てめえ。この~」
と言って、わたしに向かって突撃してくる。いつも稽古しているおじいちゃんや道場の弟子に比べたら、そのスピードは遅すぎる。わたしは小太りの不良のパンチをひらりとかわし、代わりに渾身のボディブローを腹に食らわした。
「ごふっ」
小太りの不良が痛みで倒れこんだので、わたしは脅されていた男性に駆け込み声をかけた。
「大丈夫」
「あ、ありがとうございます」
「早く、今のうちに逃げるわよ」
「は、はい」
急いでその場から逃げようとしたが、男性は殴られた痛みですばやく動けない。そうこうしているうちに長身の不良が起き上がり、逃げるわたしたち二人を追ってきた。
「待てごらぁ」
うまく歩けない男性を担ぐことはできず、逃げ切れないのを悟ったわたしは男性を先へと押しやった。
「先に逃げて!」
「えっ、わあ!」
そしてわたしは長身の不良に腕をつかまれてしまった。そうしている間に小太りの不良も追いつき、さすがに二人の男性を同時に相手にするのは無理かと思われた。でもあきらめずに不良に反撃を試みたが、不良に両方の腕をがっしりと掴まれていたため何もできない。抵抗できないやわらに、小太りの不良が顔面に向かってパンチをしてきた。
もうだめだ…
わたしがあきらめかけたその時、
「やめろ」
と男性の声が聞こえて、小太りの不良が目の前で謎の男性に足蹴りを食らって勢いよく吹っ飛んでいった。
「な、何!」
長身の不良が驚きの声をあげた。いきなりの出来事にわたしも呆気にとられていると、いつの間にか掴まれていた腕が緩んでいることに気づいた。
ドサリという音がした。
足元を見ると、わたしの腕を掴んでいた長身の不良も謎の少年に殴られて地面に寝転んでいた。
一瞬にして二人の不良を倒し、自分と同年代くらいの少年が何も言わずにその場から立ち去ろうとしたため、
「あの、助けてくれてありがとう!」
とお礼を述べた。すると謎の少年は一瞬わたしの方を振り返ったが、ぷいっとそっぽを向いて立ち去ろうとした。
「ちょっとあなた、待ちなさいよ」
わたしはその少年を追いかけようとしたその時、小太りの不良が起き上がって立ち去る少年に向かって突撃した。わたしは少年が小太りの不良にやられてしまうと思い後ろから追いかけて
「やめなさ~い」
といって足蹴りを食らわした。謎の少年は小太りの不良が自分に向かっているのに気づいたため、反撃をしようと振り向いたが目の前でやわらの足蹴りによって倒された。
バシッ
「うぐっ」
ついに、不良は気を失った。
わたしはスカートをはいているにも関わらず夢中だった為、少年の前でスカートの中身が丸見えとなってしまっていた。
「水色か、もっと可愛いのはけよ」
とだけ言って、また立ち去ろうとした。わたしは恥ずかしいのと、少年のデリカシーのない言葉にムカついたので
「な、あなた。どさくさにまぎれて見たわね」
と叫んでいた。
「別に見たかったわけじゃない。それにこっちは見せられて迷惑だ。」
「な、何ですって!むかつく~、待ちなさいよ」
と叫ぶが、少年はおかまいなしにすたすたと歩いていった。わたしは男の人にパンツが見られて恥ずかしいやら、悔しいやらでその場に立ち尽くしていると少年がぱっと振り向き、
「男の喧嘩に、女がしゃしゃり出るんじゃねぇよ」
と暴言を吐いて、立ち去った。
その言葉にさらにわたしは怒りがこみ上げてきたが、視界に絡まれた男性が身体を痛そうにしている姿が目に入ったため我に返った。今はあんな奴と喧嘩してる場合ではない、不良たちがまた意識を取り戻す前に、男性を連れて今すぐこの場から逃げなければならない。
全くあいつ、何が女はしゃしゃり出るなよ。弱いものいじめしてたら助けるに決まってるじゃない。ほんとムカつく。今度会ったら絶対に文句言ってやるんだから。
男性を病院へ運びながら、わたしは少年に対して苛立ちを感じていた。