好きにはさせない













もんもんとした気持ちを抱えたまま、あたしはいつの間にか寝てた。

夕飯の時間過ぎて最早朝が来てた。
何でお母さん起こしてくんないのよって思いつつ携帯で時間を確認すれば、


【不在着信 1件】


そう表示されてた。


半分、ていうかほぼ分かってたけどそれをタップして確認すれば、

表示された名前は

【くそ野郎】

……。

……………。


そういえば、うん。
別れた日に登録し直したよね。

センス悪ぃ。
まぁ、番号消さなかったってのがあれだけど。


…。


「ぷはっ」


思わず吹き出した。

いや、だって、くそ野郎って。

何ていうか。
正直言って、気分が良かった。


だってあたしは、これを待ってた。
くるでしょって思ってて来なかった。
だけどそれは、あたしが早い段階までしか待てなかったってだけで、現に今連絡が来てた。


何だかんだで、あいつのことを気にしちゃう自分には多少ムカつくけど、それを忘れちゃうくらいその事実が嬉しかった。