真凛の口からはそれはもう幸せオーラのものだった。
ははぁ。は~。そうかそうか、真凛ついに。
「おめでとう!」
「ありがと~!」
薄々予感はしてたから驚くこともなかった。
結婚かー。しかもあの叶夢先輩と!
喧嘩もして一時期はどうなることかヒヤヒヤしてたけど、こうしていい報告が聞けて本当に嬉しい。
「式とかもう決めたの?」
「いや、それはまだ。まだプロポーズしかされてないし、婚姻届はほら、付き合った記念日に出す予定だから」
「おほ~。幸せで何よりですな」
悔しいくらいに幸せな笑顔を見せる彼女に私は恨めしそうに真凛をみた。
ま、そんな顔してたら突っ込まれるのは確実で、「真凛は最近どうなのよ」なんて言われてしまったから「楽しくやってるよ」と真面目に答えた。
すると、大きなため息とともに手を横に振られ否定された。
当然、真凛の口から出てきたのは部長の名前だった。



