「部長のばーか」 仏頂面した彼に向かって何度も言う。 いくらでも言ってやる。 その言葉、面と向かって言えたらいいのに。 上司と部下。 この壁を私には乗り越えられる気がしない。 好きだなんて言えない。 だって、部長は私を見てないもん。 私はキーボードをタップして文字を作った。 素直に。言えない気持ちを込めて。 送信ボタンを押すとすぐ返ってきた返事に笑みを浮かべた。 【こちらこそ】 そこにはたったの一文。 だけれど、私の隠れた気持ちに答えてくれてるかのようで。 無性に泣きたくなった。