「それじゃあ、私そろそろ帰ります」


「うんっ引き止めちゃってごめんね」


「いえいえ!私の方こそありがとうございました。それじゃ」





私は先輩に最後軽く頭を下げると、この場を立ち去ったのだった。





先輩は私が見えなくなるまでずっと手を振ってくれていた。





渉先輩か…いい人だったなぁ。


それに、爽やかでかっこよくて、優しかった。





下駄箱へと向かいながら、今あったことを思い出していた。





そういえば、蓮からメールの返信来てたっけ?


送ったまんまなんにも見てなかったけど。





そして下駄箱へ着くと、私は目を見開いて驚いた。





「蓮っ!?」


「あ、やっと来た」





そこには携帯片手に、下駄箱に背を預けている蓮の姿があった。





「なんでここにいるの!?」