時計を見つつ、やれやれとため息を吐いていると、真新しい制服に身を包んだ蓮が部屋から出てきた。





「なっちゃん~ネクタイってどうやって結ぶの?」



「しょうがないなぁ。貸してっ」





大きな欠伸をする蓮からネクタイをもらうと、私は慣れた手つきで蓮の首元にネクタイをしてあげた。





「はいっこれで完成」


「ありがとうなっちゃん」


「ちゃんとやり方覚えるんだよ?」


「は~い」





ほんと蓮は昔っから世話が焼ける…


私がいなかったらどうするのよっ





「ほらっここ寝癖ついてるよ」





蓮のふわふわの髪の毛の、後頭部らへんに変な癖がついていた。





「僕は気にしないけど」


「だめっ私が気になる!早く直してきて」





そう言って面倒臭そうな顔を浮かべる蓮を、無理矢理洗面所へと押し込み、急いで寝癖を直させた。