そして唇が触れあう数センチ手前のところで、私は全力で最後の抵抗をした。





「蓮のばか!蓮なんて…大っ嫌い!」





私の大きな声は教室に大きく響いた。





すると、蓮はようやく止まってくれた。





「蓮…?」





「…ごめんね、なっちゃん…」





今にも消えそうな声でそう呟くと、蓮は私から手を離しそのまま教室を出て行ってしまったのだった。





「蓮…っ!」





なんで、どうして、謝るの…?





蓮のあんな辛そうな表情、見たことなかった…





私の胸は何かが突き刺さったようにズキズキと痛み、息もままならないほど苦しかった。





…戻って来てよ、ばか。