「やばっ、私そろそろ行くね」 田端が大きい声で名前を呼んだせいでチラチラ注目浴びられる始末。 あわてて集合場所へと駆け寄ろうとすると、 「頑張れ、白石さん」 ふわりと聞こえた宇多くんの声。 振り返らずに宇多くんの応援を背中で受け止めて、 私はうん、と一つ返事をする。 「……頼むから、変なものは借りないでね」 宇多くんがもう一度なにかを呟いたような気がしたけれど、ピューと吹いてきた心地よい風と共に流しておいた。