《続きまして、1年生による玉入れ合戦です──》



空、快晴。

今日は体育祭。


開会式が終わり、早速1年生から順に、競技の収集がかかり始める。



「……あっ。みてみて白石、進藤先輩発見した」

「えーどこ?」

「ほら、あの青いハチマキの──」

「……あっ。ほんとだ」

「ねええ青ハチマキ似合いすぎてる…かっこいい……」



朝から浮かれまくってる、上機嫌なあっこさん。

黄色いハチマキ頭に付けて、わきゃわきゃ楽しげにはしゃいでる。



「先輩のリレー楽しみだね」

「楽しみ〜〜。私今日秘密兵器持ってきたから」

「秘密兵器?」



あっこの言葉に首を傾げると、なにやら黒い物体があっこのジャージポケットからひょっこり。



「この日のために買っておいたんだー」



じゃじゃーん、と自慢げに披露してくれたのは、
手のひらサイズの……双眼鏡。



「私、学校に双眼鏡持ってきてる人初めて見た」

「……あっ、見えた見えた!キャーッ」


横でぴょんぴょん飛び跳ねるあっこの耳は、もう完全にシャットダウンされたもよう。