何日ぶりに開いたクローゼットの目の前にいたのは彼ではなかった。

「…お、に…い、ちゃ…ん…」

そこにいたのは驚きと怒りが見え隠れしているお兄ちゃんだった。

「お前っ…何で…こんな姿で…」

お兄ちゃんは震えた声で言葉を漏らし力のない私を抱きしめた。

「もう大丈夫だから…」

何が大丈夫なのか、何故ここにお兄ちゃんがいるのか思いながら意識を手放した。