ガタン、ガタン、と、電車が揺れる音がする。

私は、昔、ここで死んだ。
昔と言っても、何年か前なのだけど。

気がついたら私、中学生の恰好して、あの時の傘を持ってここへいた。

「ここ、終点ですけど、降りないんですか?」

電車に乗っていると、いつも乗っている少年に声をかけられた。

ここは、私の駅じゃない。
だから、ずっと、ここにいるわ。

ジャケットについた校章を見ると、私が通っていた学校の制服だった。

じゃあ、この制服、廃止になったんだ。