黄色い傘の少女

『次は、終点-』

だんだんと人が減り、僕が降りる終点の駅に着こうとしていた。

黄色い傘の少女は降りる素振りも見せず、ただ立っている。

「あの。」

「ん?」

少女は、僕の声に応えてくれた。

少女の名は西原というらしく、ジャケットの左胸には名札がついていた。

「ここ、終点ですけど、降りないんですか?」

すると、少女は笑って、「いいの」と言う。

「ここ、私が降りる駅じゃないから。」

不思議な話だ。
ここは、終点なのに。