黄色い傘の少女

それに、運転席の後ろから見る景色は、昔から好きなんだ。

通学時間と重なっている今は、沢山の学生等が乗り込んで来て、見渡す限り制服みたいな感じになっている。

『次は-』

停車する駅を知らせる車内アナウンスもほとんど聞こえない。

ドアのそばに、顔をしかめた少女がいた。

僕が乗る時は、必ず乗っている学生だ。

彼女の手には少し大きな黄色い傘を持っている、他校の中学生だ。

ボロボロになった傘を大事に持っているらしい。