「まだ、1人いるんだ。少し前に、あいつらが連れて行ったんだ」

その言葉に、2人は顔を見合わせた。

「たく、面倒なことしやがる。時間がないってのに………」
「どこに連れていかれたかわかりますか?」

ダンテは苦虫をかみつぶしたような顔をし、エレンは少年のほうに視線を向けた。

「いつもの部屋だから、たぶん、1つ下の階の第4実験室」
「ダンテ」
「はいよ。ちょっくら行ってきますよ、と。こっちは頼んだぜ。俺が5分で戻らなかったら先行け」
「分かりました。気を付けて」

エレンの言葉にダンテは軽く手を上げ、部屋を出て行った。
それを少年は心配そうに見つめる。

「大丈夫ですよ。彼はあんな軽い調子ですが、やる時はやる人ですから」

エレンの言葉には彼への絶対の信頼があった。

「さぁ、私達も早くいきましょう。手伝っていただけますか?」

エレンの言葉に、少年は頷いた。