「進行状況は?」
「後ちょいだな。明日には調べ終われるだろ。見取り図のほうはタブレットに送っといた」

イアンの答えに、エレンは「そうですか」と頷いた。

「じゃ、俺達は作戦会議でもしますか。おっさん達との交渉が終わったらすぐにでも取り掛かるつもりなんだろ?」
「そうですね」

タブレットと取ってきますね、とエレンはソファーから立ち上がった。
が、そこで「あ」とエレンは声を上げた。

「実は、神父のところへ子供達を連れてきた女性の捜索も頼まれてまして。人相までは割れてはいるんですが、まだ居場所がつかめていないんです。もしよければ画像の確認をお願いできますが?」
「はいよ」

ダンテの返事を聞き、エレンは今度こそタブレットを取りにその場を離れた。
イアンが再びノートパソコンのディスプレイをダンテへ向ける。

「さて、俺が知ってるヤツだといいんだが………」

言いながら、ダンテは画面へ目を向けた。

どこかの店か何かがつけている監視カメラの物のようだ。
画面の真ん中に移った女は、白いワンピースドレスを着た、黒い長いの女だ。
斜め上から撮った画像であるがその女の人相はしっかりと映っている。
その女の顔を見てダンテは「あ、あー………」などと意味を持たない声を漏らした後、天井を仰いで目元を手で覆う。