そんな男達を逮捕する手助けをしてほしい、とエレンに声をかけたのは知人の刑事で、その手伝いをしてくれとダンテに声がかかったのだ。
そして、長らく警察の手を煩わしてきた男達は逮捕されることとなった。
イアンの言う追いかけっことはそれに際して行った作戦の事である。

「そりゃいいことで。追いかけるならあんなおっさんじゃなく若い女の子を追いかけたいもんだ」
「なんか犯罪臭がする。お巡りさんこっちです!」

わざとらしく明後日の方向に向かってイアンは声を上げた。
それにダンテは渋い顔をした。

「何が犯罪臭だ。お前、むさいおっさんを追いかけまわしたいのか?」
「んなわけあるか。現実問題、俺じゃおっさんも女の子も追いかけられやしないわけですが」

そう言ってイアンは肩をすくめた。

と、その時玄関からドアのロックが外れる音がして、間もなくドアが開かれた。

「ただいま………あぁ、来ていたんですね、ダンテ。遅くなってしまい、すみません」
「おかえり。対して待っちゃいないんで気にすんな」

部屋に入ってきたのはこの部屋の主であるエレンだった。

「お茶を出していませんね。紅茶で構いませんか?」
「あぁ、頼む」

ダンテの返事にエレンは1つ頷き、キッチンに向かった。