「インターフォンのカメラで誰かわかってんだろ」
「分かったから遊んだにきまってるだろ」
「………」

そう言ってイアン・アルフォードはカラカラと笑う。
ダンテは1つ息をつく。

「お前が出てきたってことはエレンいないのか」
「じいさんとこ。もう帰ってくると思うぜ」

イアンが「どーぞ」と入るように促すと、ダンテは「お邪魔します」と部屋に入る。

部屋は2LDKのロフト付き。
外観とは裏腹に、室内は綺麗にされている。
この広さの部屋を新市街で借りようとすると高額になるが、旧市街では築年数などにもよるが、良心的な値段で借りられる。
この部屋は元々外観通りの古い部屋で、自分でリフォームするという条件付きだったために安値で借りられたとはこの部屋の主談である。

リビングにはテレビに1人掛けと2人掛けのソファーとローテーブル。
ローテーブルには電源の入ったノートパソコンと空のマグカップ。

イアンは1人掛けのソファーに腰を下ろした。
ダンテは2人掛けのソファーに腰を下ろす。

するとどこからか犬が2匹出てきてダンテのすぐそばに座った。
その頭をなでてやると、犬はパタパタと尻尾を振った。