「あんな純粋な子をかどわかそうとしているのが悪いのでは?」

エレンは涼しい顔でそう言った。

「じゃぁ、お前が俺らの相手をしてくれるのか?」

クルトがエレンの顎に手を添え、上を向かせる。

「却下です。貴方方と行ってもまったく楽しそうではないので」

エレンはクルトの手を叩き落とした。
そしてさっさとその場から離れようとする。
だが、それはクルトがエレンの腕を掴むことで阻まれた。

「逃げられると思ってんのか」

そう言いながら怒りの形相でエレンを睨みつける。
だが、エレンは顔色1つ変えない。

エレンが何かを言おうと口を開いた。
が、声を発する前にシャッター音がそれを遮った。
シャッター音がした方向にはダンテがいた。

「あぁ、こっちのことは気にせず。好きにやっちゃっていいぜ」

なんてダンテは笑う。

「どうするつもりだ、テメェ」
「どうすっかなぁ。消してもいいが、出版社に売るのも楽しそうだ。この手のスキャンダル、好きな奴多いからな」
「、」

クルトは苦い顔をした。

「………何が目的だ」
「別に?その手を離してさっさとホールに戻るってんなら、消してやるよ」

どうする?とダンテは無言で問う。

クルトは舌打ちをしてエレンの腕を離した。