クルト達がここで会えたのも何かの縁だ、もしよければこれから自分達と遊びに行かないかと誘っている。
少女のほうはと言えば最初はパーティーを抜け出すことに抵抗を感じていたようだが、3人に言いくるめられつつある。
悪いのは明らかにクルト達なのだが、少女は少女のほうで警戒心がまるでないことに、エレンはわずかに眉間に皺を寄せた。

ついでに何か新しい情報が入ればと思っていたのだが、これと言った情報はなさそうだ。
そう結論付けたエレンは、彼らの間に割って入るべく物陰から出た。

「エイヴリル・アンドリューズさん」

エレンが少女の名を呼びながら近づいた。

4人の視線がエレンへと向けられる。

「お話中申し訳ありません。先ほど、お父様が貴女の事をお探しになられていましたよ」
「お父様が?」

少女が聞き返してきた。

「はい。なかなか戻ってこない貴女を心配なさっていましたよ」

エレンの言葉に、少女は長らく父親の傍から離れていたこと、心配させてしまっていることに慌て始めた。

「大変!戻らないと」

そういうと少女はエレンとクルト達に頭を下げ、その場を去っていった。

それを4人は見送っていたが、少女の姿が見えなくなってから3人がエレンを睨みつけた。