ちなみに、ここまで調べるのにイアンやラッセルの力を借りて3日ほどである。
警察はこれを1ヶ月近く探しているはずなのだが、いまだつかめてはいない。
大手貿易会社であるクルトの父が何らかの方法で圧力をかけているからであることは想像に難くない。
それが自分もまたそれに加担しているからなのか、キュンツェルの名に傷をつけたくないが故なのかは定かではないが。

とはいえ、今回パーティーに参加したのは情報収集が目的ではない。

中毒となり病院に搬送された者の中には何人か歳の若いセレブの娘がいた。
その娘は病院に搬送される前日、この3人に接触していることが分かっていた。
そのため、詳細は分からないが、彼らが直接彼女らに薬を投与している可能性があった。
これ以上犠牲者を増やさないためにも、彼らの行動を監視しておく必要があると判断した。
そうして、外の空気を吸うためにホールから出た少女を追う形で出ていく3人を、エレンはつけてきたのだ。
ラッセルがダンテにちょっかいをかけているのが見えたが、ダンテなら上手くあしらえるであろうし、彼に声をかけに行っていては3人を見失う可能性もあったのでおいてきた。