「やぁ、来てくれると思っていたよ。我が息子。ギルバートがいないのが少し残念だけど」

そう楽しげに言ったのはフィランダーだった。

「アンタの息子になった覚えはねぇな」

ダンテはフィランダーの言葉を切り捨てるように言ったが、フィランダーは特に意に介していないようだ。

ダンテはフィランダーの横に立つエレンのほうへと視線を向ける。
結い上げていた髪がおろされている以外には衣服の乱れは特にみられず、後ろ手で拘束されているようだが特に目立った外装がないことに内心安堵した。

「そちらは予定になかった客人のようだが………あぁ、君は覚えているよ。確か、エルドレッド・リネハンだったかな」

フィランダーがエルドレッドのほうを見て言った。

「おや、覚えていてもらえるとは光栄だ」
「忘れもしない。私の大切な息子たちを連れ去ったあの男の部下だからね。後の3人は………所見かな」

フィランダーはまるで品定めをするように5人を眺め、1人何やら頷いている。

「少々物足りないが、まぁ良しとしよう。それでは私の今回の傑作の最終試験にお付き合いいただこうか」

そのフィランダーの言葉を合図に、金髪の少女と黒髪の少女と黒髪の少年が黙って一歩前へ出た。