イアンの言葉の最後のほうには棘があった。
それに3人ほどヒクリと反応したスーツ姿の若い男がいたが、ダンテはそれを横目で確認するだけだった。
正直、殴り飛ばしたい気分であるが、そんなことをしている時間が今は惜しい。

「でだ。エレンがこっちに送ってきたメモともろもろの情報を見るに、おそらくこの2人組はマーシャ・スキナーとフィランダーの子供だ。3つ子らしいから後もう1人いるはずだが、その姿は監視カメラからは確認できない。この後、奴らはエレンを気絶させ人目を避けつつ移動。地下街にある廃ビルに入った。監視カメラに映ってるのはたぶんわざとだな。狙いは、たぶんお前とギルバート。その目的は不明」
「あのヤロウの事だ。俺らを手元に置くことなんざ考えちゃいねぇ。今回の研究結果と前の研究結果、どっちが優れてるかテストがしたいんだろうよ」

ダンテは鼻で笑った。
その表情には怒りが見え隠れする。

「で、ダンテとじーさんのとこのお兄さんがたでここに乗り込んでもらうってことでいいのか？」

イアンがヒューに尋ねるとヒューは頷いた。