とりあえず、当分は彼がこちらに危害を加えるつもりがないことに安堵した。
だが、諸手を挙げて喜ぶこともできない。
何せ、彼の目的はダンテとギルバートだ。
あの2人とあの男はできることなら接触させたくない。
だからあの2人には情報が行かないようにして動いていたというのに―――。

エレンは自分の不甲斐なさに舌打ちをした。