「我慢なんてしてないです、私」


「俺は、籍を入れて指輪も渡した。お前がその指輪を嵌めてくれているの見ると、本当に嬉しいし、お前は俺の妻になったんだなって実感した」


「私だって。この指輪本当に嬉しかったし、妻になったって・・・」


「うん。妻になったって実感はあるかもしれない。でも俺が夫だという実感も結婚したって実感もあんまり感じられなかっただろ?」


「それは・・・」


「バカだな、本当にお前は。まあ遠慮ばかりして素直に甘えられないところが可愛くてたまんねえんだけどな」



なんで私が思っていたことを全部わかってくれるんだろう。せっかく綺麗にしてもらったのに、また涙が零れる。春馬さんは私の肩をぎゅっと抱き寄せてくれた。



「泣くなよ。待たせてごめんな。両親にはちゃんと紹介したいから帰ってきてほしいと伝えてる。お前に会うのが楽しみだって言ってたよ。理央、結婚式挙げよう。そしたら俺、死ぬまでずっとお揃いの指輪、外さないから」


「・・・はい。私も絶対に外さない」


「もう一度、プロポーズしてもいいか?ムードに流されたってことで。宮崎理央さん、俺と結婚式を挙げてくれませんか?世界で一番綺麗な花嫁にしてやるから」


「はい」


キラキラの夜景をバックに私は、二度目のプロポーズを受けた。