突然、さっきまで揺すっても反応のなかった春馬さんが私の腕をつかみ、グイっと自分のほうに引き寄せた。
当然のように私は春馬さんの腕のなかへ。


「は、春馬さん。起きてたの？」

「理央・・・俺、お前の事が・・・好き、やで」


ぎゅっと抱きしめられて身動きが取れない。


それに何、今の関西弁。あまりにも唐突すぎて動揺が止まらない。
それなのに、言った本人からは気持ちよさそうな寝息が聞こえる。


「・・・もしかして、今のアキちゃんへのやきもち？」


なんてぼそっとつぶやいてみた。寝てるから返事は返ってこないだろうなと思っていたのに、春馬さんが今度は小さな声でつぶやいた。


「・・・あんまり妬かせんなよ」


結局、その夜アキちゃんが帰ってくることはなく、私はというと春馬さんにがっちりホールドされたまま、言われた言葉を思い出してはニヤニヤ、ドキドキしつつ、全く眠れずに朝を迎えることになった。