「おかえりなさい。あれ春馬さんだけ?」


春馬さんとアキちゃんは二人でこれからの話をすると言われ、私は有給を取っていたので結局一人、先に帰って二人のことを家で待つことにした。アキちゃんが来てくれたのでいつもは春馬さん任せの料理も、ネットで調べて作ることにして。


そして時間は夜の十時。

なかなか帰ってこない二人を待っている間にウトウトしていると玄関が開く音がしたので、慌てて飛び起きるとなぜかそこには春馬さんだけ。心なしか少しお酒飲んでる?なんとなくフラフラしている春馬さんに駆け寄り、腰に手をまわして彼を支えるようにリビングまで向かった。


「アキはもうちょっと飲むって言ってたけど、俺は先に帰ってきた」


アキなんてそこまで親しくなったんだ。
それに、春馬さんがお酒を飲んで酔っ払っている姿なんて初めて見たかもしれない。


いつもは私が酔っ払いだけど、立場逆転でちょっと新鮮。


「男二人で飲んでいい女に絡まれたりしたんじゃないですか。本当に少しは危機感感じて飲んでくださいよ」



寝室までなんとか到着。とりあえず春馬さんを寝かせたものの彼の瞼は今にも閉じてしまいそう。


少し体を揺さぶってみたけれど、反応がない。スーツ着たままだとしわになっちゃうのにと思ったけれど、仕方がない。
とりあえず、アキちゃんが帰ってくるまでリビングで待っていようと寝室を後にしようとした時だった。