終業時間が過ぎても、私は帰らず仕事を続けていた。いろいろな引き継ぎをしなくてはいけないから。
こんな中途半端で投げ出したりなんてしたくないし、本当は辞めたくない。
でも、時間は待ってはくれない。
そっとデスクの引き出しを開ける。
昨日、何度も何度も躊躇いながら書いた辞表。
早く渡さなくてはと思いつつ、結局、社長に渡せなかった。
「おい、昨日なんで電話してこなかった?なんだこれ?」
後ろから肩を叩かれ、慌てて引き出しを閉めようとしたけれど、社長がそれを見つけるほうが早く、私の辞表は意図せぬ形で社長の手に渡ってしまった。
「なんで、辞表なんて持ってんだよ?」
顔を見なくても分かる。
いつもよりトーンの低い声、昨日の私と同じ。怒りに満ちた声色。
「す、すみません。これから忙しくなる時期だと分かってはいるんですが、どうしても仕事を辞めて、田舎に帰らなくてはいけなくなってしまって」
「ご両親、どうかされたのか?」
その問いに大きく首を振った。
そう言えば、良かったのかもしれないけれど、そんな嘘、絶対に吐きたくはなかったから。
「じゃあ、なんでいきなり辞めなきゃいけない?俺が納得いくように説明しろ!」
強く肩を掴まれ、社長の方に向かされた私は、やっぱり黙ってなんていられなくて、昨日のことを全て、社長に話してしまった。
こんな中途半端で投げ出したりなんてしたくないし、本当は辞めたくない。
でも、時間は待ってはくれない。
そっとデスクの引き出しを開ける。
昨日、何度も何度も躊躇いながら書いた辞表。
早く渡さなくてはと思いつつ、結局、社長に渡せなかった。
「おい、昨日なんで電話してこなかった?なんだこれ?」
後ろから肩を叩かれ、慌てて引き出しを閉めようとしたけれど、社長がそれを見つけるほうが早く、私の辞表は意図せぬ形で社長の手に渡ってしまった。
「なんで、辞表なんて持ってんだよ?」
顔を見なくても分かる。
いつもよりトーンの低い声、昨日の私と同じ。怒りに満ちた声色。
「す、すみません。これから忙しくなる時期だと分かってはいるんですが、どうしても仕事を辞めて、田舎に帰らなくてはいけなくなってしまって」
「ご両親、どうかされたのか?」
その問いに大きく首を振った。
そう言えば、良かったのかもしれないけれど、そんな嘘、絶対に吐きたくはなかったから。
「じゃあ、なんでいきなり辞めなきゃいけない?俺が納得いくように説明しろ!」
強く肩を掴まれ、社長の方に向かされた私は、やっぱり黙ってなんていられなくて、昨日のことを全て、社長に話してしまった。

