夢と記憶と恋の魔法。


はぁ。どうしよ…。遅刻かなー。痛いし、ショックで泣きそう。

そんなとき、キキーッというブレーキ音がした。顔をあげると、自転車に乗った男の子がいた。びっくりしてぼーっとしていると、
「大丈夫?」
と手を伸ばしてくれた。
「ありがとうこざいます。」
その手を握り、ゆっくりと立ち上がる。立てたはいいけど、歩くのはきつい。それでも、この人にこれ以上迷惑はかけられない。

「あの、ほんとにありがとうこざいました。」
そう言って、歩き出そうとすると、