慌てて、首もとに手を持っていく。目は落ちた物を探す。
首にはあるはずの物がない。
海斗さんのネックレスと指輪が、今はない…。
急いで、今落ちた物を探すと、道には、海斗さんのネックレスのチェーンと、トップス。
でも、指輪が見当たらない…。
焦って指輪を探す。見当たらない指輪に、涙が出そう。
「ほら、紗姫指輪。」
後ろにいた勇気くんが、指輪を見付けてくれた。
私は勇気くんの前に両手を差し出すと、その手の中に指輪を置いてくれた。
「ありがとう勇気くん。」
見つかって、安心したのか、涙が出てきた。
「ほら、紗姫泣かない。」
「だって…。」
だって、海斗さんが、どこかに消えてしまうのではと思ってしまった。そんなことが、あるはずがないのに…。明日海斗さんは、私を迎えに来てくれるのだから……。

