こうして、海斗さんイタリアに旅立った。


 寂しいけど、いつまでも、寂しがってる暇は私にはなかった。もう入試まで、後3日。




 いよいよ今日は試験。あまりにも緊張して、よく眠れなかった。


 私は重たい体を引きずりながら、試験会場に向かう。首には海斗さんの指輪とネックレスがぶら下がってる。


 卒業式の日に笑って海斗さんに再会する為に…。





 「それでは、初めて下さい。」


 試験監督の声で一斉にプリントをめくり、解答用紙に答えを書き込みだす。


 周りの人達が自分より、頭がいいように見える。実際進学校を受験しているから、頭は良いはず。

 段々集中力が減って来くる。解答用紙もまだ3分の1残っているのに時間後少ししかない。


 シャラ~。


 首に掛かっているネックレスが揺れた。まるで、海斗さんが、紗姫なら出来る。大丈夫だと言っているみたいだった。