ブカブカの指輪を見た海斗さんは、自分の首にしていた、シルバーのチェーンのネックレスを外し、指輪をそれに通すと、私の首にネックレスをしてくれた。

 「これで、無くさないな。ネックレスなら、試験の日に着けて行っても、ばれないし。ちゃんと指輪とネックレス返せよ。」


 海斗さんのネックレスと指輪がかかった首に手を持って行く。


 「海斗さん。気付けて行って来てください。」


 車から降りようとした時、私に海斗さんが不意にキスをしてきた。


 そして、今まで一度も家族以外言われたことがない。家族と比べものにならない、とっても素敵な言葉を聞いた。


 「紗姫。愛してる。」


 嬉しくって、私は言葉に出来ないから、私から気持ちを込めてキスをした。


 海斗さんわたしも、あなたを愛してます。