みんな緊張しているのか、誰も喋らない。海斗さんにみんなを紹介し終わり、今度はみんなに海斗さんを紹介した。
「初めて水城海斗です。いつも、紗姫がお世話になってます。」
大人の余裕をみせるような、笑顔に心結達は、顔を赤らめる。無駄に笑顔を振りまく海斗さんを横目に見ながら、私は早く、この場から、離れたくて仕方なかったけど、まだ心結達は離してくれない。
「ごめん、タバコいいかな?」
みんなに断りを入れて、タバコに火をつける。私はその動作に見とれている。その時また、真緒の悲鳴が。
「海斗さんの左薬指。」
真緒が、海斗さんの左薬指を指差す。
海斗さんの左薬指は、私と同じ指輪が、はまっていた。

