「海斗さんを今すぐ、紹介して。」


 やっぱり心結が言い出す事はろくでもない。


 「無理。絶対無理だよ。海斗さん忙しいし、それに、来てくれないよ。」


 みんな、ワクワクした顔で、私を見る。ここで、断っても会うまで、毎日私に言い続けると思うともう、今日紹介した方が、楽なような気がして来た。


 「わかったよ。取り敢えず、電話してみる。もし、だめなら、諦めてよ。」


 制服のポケットから、携帯を取り出して、電話を掛ける。

 ドキドキして来た。携帯の呼び出し音がなる。5回目くらいで、海斗さんが出た。


 「海斗さん今時間ありますか?」


 用件だけ、手短に話す。


 「今、友達と一緒にいるんですが、どうしても、海斗さんに会いたいて、聞かないです。今から、こっちにこれます?」


 絶対来ないと思っていたのに…。