何度も頷く私を見た海斗さんは、フゥーと。安堵のため息を付いて。今まで見たことのない優しい笑顔で、私を見ていた。


 「良かった。歳も離れているし、出逢ってすぐ、紗姫泣かせてるし。」


 最初の出逢いは、最悪だったけど、私もあの初雪の降る中に立っていた海斗さんに一目惚れした。

 「出逢いが、最悪でいいじゃないですか、最悪だったら、絶対に忘れることがない。それにこれからの思い出を最高にしたらいい。私は海斗さんが、好きです。」


 そう。出逢いが最悪なら、これからを最高にしたらいい。

 私は泣きはらした顔で笑顔を作った。

 私の前に一つの小さい箱が置かれた。

 「クリスマスプレゼント。」


 その言葉に私も準備していた、プレゼントを海斗さんの前に置いた。


 「私も海斗さんにクリスマスプレゼントです。」


 そう、あの時心結と駅ビルで、買ったネクタイ。