「紗姫。」


 私を呼ぶ声がして、後ろを振り向くと、海斗さんが、そこにいた。


 「海斗さん。」


 私の傍に来た海斗さんは、沢山の汗を掻いていた。


 「海斗さんどこ行ってたんですか?」

 私は置いてきぼりにされた、不満を口にした。
すると、海斗さんが、また私の左頬を引っ張った。


 「紗姫、人の話聞いてなかったな。俺、電話して来るから、動くなよ。てゆったよな?」


 うっ、そうゆえば、海斗さんの携帯がなっていたような…。


 「紗姫、ごめんなさいは?」


 「ごめんなさい。」


 「まぁ今回は許してやるよ。いいか、紗姫もし、迷子になったら、無闇に動かないでそこにジッとしてろ。必ず、俺が見付けてやるから。」


 海斗さんは真剣な目で言った。


 私はそんな、海斗さんの目を離す事が出来ずに、頷いた。

 でも、私の心は複雑だった。


 海斗さんそんな事言ったら、私期待してしまいます。海斗さんに取って、私は妹みたいに思って、心配してるかも知れないけど、私は海斗さんが、好きです。

 切なさが、心のなかを占めていく。急に元気の無くなった私に


 「もう、怒ってないから、気にするな。次見に行くぞ。」

 私の先を歩いていことする海斗さんに、今度こそ置いて行かれないように、必死についていこう。歩幅を合わせる。