手前の水槽から、順番に見て行く。水の中を気持ち良さそうに泳ぐ魚達に夢中になる。
「海斗さん、海斗さん、見て、見て、マンボーがいるよ。」
1人興奮を抑えられないで、はしゃぎまくる私に海斗さんは笑っている。
「そんなに興奮するなよ。」
私は1つの水槽に魅入っていた。
その水槽には、流氷の天使クリオネ。
「海斗さん。クリオネ綺麗だね。」
クリオネに魅入ると、隣にいたはずの、海斗さんの姿がどこにもなく、私は慌て、海斗さんを探しに行った。
来た道を戻るけど、どこにも海斗さんの姿が見当たらない。その時、知らない人にぶつかり、手にしていた、バックが、落ちる。
慌て、散乱した、バックの中みを拾っていると、携帯の着信音が、鳴った。
海斗さんと表示され、私はすぐに出た。
「バカ紗姫。今どこにいる?何回も電話したのにでねぇし。」
海斗さんの声が聞こえて、安心したのか、涙が出てくる。
「うっ…、海斗さんが…急に居なくなるから…。」
「紗姫、今どこにいる?」
さっきとは違う優しい声で、聞く海斗さん。私は周りの水槽を見る。
「マンボーのいる水槽。

