ガバッ!!


 私は起き上る。
なにさっきの夢は!!妙にリアルな夢。


 左手が自然と唇にいく。さっきの感触が、リアルにまだ残っている唇。


 隣を見ると、海斗さんも机にうつ伏せで眠っていた。


 眠っている顔は初めて見た。
綺麗な顔に、長いまつげが影を作る。


 ジーと見ていると海斗さんの目が開いた。


 「やべぇ。紗姫につられて寝てしまった。」


 壁に掛かっている時計を見ると、後30分で、閉館の時間だった。


 どうやら、2人して、爆睡していたらしい。


 私はまだ夢での出来事が、忘れられずに、顔を赤らめている。


 そんな私の顔に気付いた海斗さんの顔が、近づいて来る。

 コツ。


 海斗さんのオデコが、私のオデコにく。間近で見る海斗さんの顔に、ドキドキする私の心臓。


 そっと離れて行く海斗さんの顔。


「熱はないな。顔が赤いから、熱があるかと思った。もし、熱があるなら、明日の水族館中止にする。」


 その一言に私は、首を大きくふった。

「熱なんてない。ただ、空調が少し暑いだけだよ。」


 必死に否定する私に、海斗さんは笑って。


 「了解。明日、11時に紗姫の家に迎えに行く。」