それから、クリスマスまではあっという間に過ぎた。
今日は終業式で、午前中で、学校が終わったので、一度家に帰り、図書館に向かった。
いつもの実習室に着いた。まだ海斗さんは来ていない。ノートと参考書を机に広げて、海斗さんが来るのを待つ。
室内は程良く暖房がきいていて、窓から入る陽の光が心地いい。
思わずあくびが、出てしまう。
「悪ぃ遅れた。」
遠くの方で、海斗さんの声が聞こえてた……。
私は夢を見ていた。高校の制服を着た私がいて、私の隣には誰かがいて、手を繋いで、楽しそうに笑っている。
顔が、逆光で見えない。私は目を細めて、見ようとする。
その時、逆光が陰る。私のとなりにいたのは、紛れもない、海斗さんだった。
だんだん海斗さんの顔が近づいて来る。
そして、ソッと触れる唇。

